【ブレーキの互換とは?】スーパーSLRとNEWスーパーSLRの違い(ロードバイク カスタム)

ロードバイク

おはようございます。古賀修三です(^.^)

今回は過去記事で「STIレバーの触覚を無くしたい!最新のSTIレバーに交換する方法」という記事を書いているのですが、そちらにいただいたコメントの回答記事を書いていきたいと思います。

では行ってみましょう~(^^)/

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質問内容(ブレーキの互換)

なぜブレーキの引き量に触れないのか
知らないのか不親切なのか互換を気にしてないのか
シフトのことだけに重点を置いてますがブレーキの互換はかなり重要な事なので書かないのはどうなのか 

↑が今回頂いたコメントです。

触角アリの古いSTIレバーを最新のSTIレバーに交換する方法をお伝えした記事にいただきました。

ブレーキの互換性について触れないのは何故ですか?」というご質問ですね~

コメント主様にはすでに返信済みですが、深ぼって私の考えをお話ししたいと思います(^.^)

 

 

ブレーキの構造を理解しよう(テコの原理)

ブレーキの互換というと、「キャリパーブレーキとVブレーキは互換性なし」という話は良く聞く話ですよね~

これは、キャリパーブレーキ用のブレーキレバーでVブレーキのワイヤーを引くと、「効きが悪い」とか「引ききれない」というお話です。

ちょっと横道外れますが、今回のお話の基本になる考え方(テコの原理)を先にご説明させていただきますm(__)m

 

出典:ESCAPE Airと自転車ライフ

ブレーキレバーは「テコの原理」を使ってワイヤーを引っ張っています

分かりやすいように、フラットバー用のブレーキレバーでご説明させていただきますm(__)m

↑の画像のようにキャリパーブレーキとVブレーキで作用点の位置が違います

支点から作用点の位置が近い方がキャリパーブレーキ、Vブレーキの方が作用点が遠くにあります。

 

出典:ノビコト

「テコの原理ってなんだっけ~」って言う方は↑の画像で思い出してくださいね~

テコの原理は、「支点から力点の距離を遠くすることにより、少ない力で作用点の対象物を持ち上げることが出来る」という原理ですが、「支点から作用点の距離を長くすることにより、作用点の対象物を高く持ち上げる(沢山移動する)ことが出来る」という側面もあります。

この、支点から作用点の距離を変えることで、「キャリパーブレーキとVブレーキレバーの両方で使うことが出来るレバー」が存在します!

 

Vブレーキの方が、たくさんワイヤーを引く必要があるということです!

支点と作用点が遠い分、Vブレーキの方が力点に沢山の力を掛ける必要があるのですが、Vブレーキのバネはキャリパーブレーキに比べ「構造上バネを弱くすることが出来る」ので、レバーの引きの重さをあまり感じることはありません。

 

出典:ノビコト

テコの原理を理解しておくと、今後の話が理解しやすいと思います。

では、話を戻して「キャリパーブレーキの互換性」のご説明しましょう~

 

 

キャリパーブレーキにも種類がある

出典:リサイクルショップ ピックアップ

実は今までほとんど触れておりませんでしたが、キャリパーブレーキにも種類があります

SLR・SLR-EV・スーパーSLR・NEWスーパーSLRなど、もっとあるかもしれません(^-^; 

最新モデルのコンポはNEWスーパーSLRなのですが、実はNEWになって既に10年以上たっております!

私が整備しているロードバイクは、ほとんどがデュアルピボットキャリパーブレーキなので、スーパーSLRとNEWスーパーSLRのどちらかになります。

ちなみにNEWスーパーSLRは、2400クラリス・3500SORA・4600TIAGRA・5700 105・6700アルテ7900DURA以降のモデルになります。

いろいろと細かい変更はあったと思いますが、一番の違いはテコ比になります。

 

 

NEWスーパーSLRとは?

出典:シマノ

↑がNEWスーパーSLRの説明です!

要するにスーパーSLRに比べて「シューがリムに付くまでは速く、シューがリムに付いてからはレバーのストロークを長くして、ブレーキのコントロール性を重視した」ということですね~

となると、テコの原理では不可能な構造なのですが、それを実現させたのが「サーボウェーブメカニズム」という構造です!

 

 

サーボウェーブメカニズムとは?

作用点を動かすことによって、テコ比を変えるのが「サーボウェーブメカニズム」です!

では、どのような構造なのか見ていきましょう~(^.^)

 

出典:ノビコト

またまた出ましたw、テコの原理で考えてみましょう~

シューがリムに付くまでは引き量が大きいわけなので、支点と力点近くする、もしくは支点と作用点を遠くすると作用点の動きが大きくなります。

そしてシューがリムに付いてからは、「レバーのストロークを長くしてコントロール性を高める」ということなので、支点と力点を遠くする、もしくは支点と作用点を近くする必要があります。

う~ん、文字では説明が分かりにくいですが、実際のレバー(MTB用)を分解して解説しているブログを発見しました↓

シマノ サーボウェーブ解体新書 - フロッグサイクル(旧:ふろっぐさいくる)
寒い・・ やはり、寒さが戻ってきてしまいました 年度末になり...

↑のフロッグサイクルさんのブログを見ると、タイコの位置がリムに付くまでは支点から遠くて、リムに付くとタイコが支点に近くなっているのが分かります。

 

レバーを握る前
レバーを握った時

↑のXTのレバーは作用点を変えてテコ比を変えていることが分かります!

作用点の変化も理屈と合いますね~

今回はロードバイクのキャリパーブレーキのお話なのですが、STIレバーの「サーボウウェーブメカニズム」の構造を分かりやすく説明する記事はシマノのサイトでも見つかりませんでした(^-^;

ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてくださいm(__)m

 

↑は在庫していた完成車のST-2400のSTIレバーのブレーキタイコの取付部の画像です。

見た感じ、タイコの位置がズレるような構造には成っていないように見えますね~

強く握ってもタイコの位置は変化なしのようですね~(・・?

 

 

実際のSTIレバーとブレーキの構造

出典:ヴぇろ☆いじり

↑の画像はスーパーSLRとNEWスーパーSLRの視点からタイコの位置を比べた画像です。

この画像のブログ記事ではNEWの方がクリアランスが長いようです。

ということは、同じレバーの引き量では、NEWの方がワイヤーを沢山引けるということですが・・・

 

↑は左の105が旧、右のクラリスがNEWスーパーSLRのブレーキ本体です。

明らかにNEWの方が、アウター受けからワイヤー固定ボルトまでの距離が長いですね~

このブレーキ側もテコの原理を使っています!

構造が複雑になっていますが、支点は向かって右側にあるリンクボルトとブレーキ本体の固定ボルト、力点はアウター受けとワイヤーを固定しているボルトが付いた方のアーム、作用点は左右のブレーキシューの位置になります。

 

出典:ノビコト

支点と力点の距離が遠いほど、沢山ワイヤーを引く必要があります。

STIレバーのワイヤーを沢山引いた分、ブレーキのアウター受けのアームを長くして、旧スーパーSLRとのワイヤーの引き量の差は縮まる方向の構造になっているんですね~

 

 

テクトロはどっちと互換?

ちなみにテクトロのブレーキがあったので、R2000クラリスと比較してみました。

明らかにテクトロの方がアウター受けが短いですね~(^-^;

モノによって違うのかもしれませんが、このテクトロは旧モデルと互換品のようです。

 

 

旧とNEWをミックスしたらどうなる?(互換性)

「うんちくはいいから、早く互換があるのかどうか?だけ教えてくれ~」という声が聞こえてきそうなので、どのくらい引き量が違うのか?をお伝えしましょう~

ミックスのパーターンは2パターンです!

STIレバーが旧でブレーキ本体がNEWの場合と、STIレバーがNEWでブレーキ本体が旧の場合です。

 

出典:club Vesper

↑の表はST-7900が出た当時に作成されたものだと思います。

DURA-ACEは7900からNEWになっています。

7800との互換表ですが、A互換やB互換という表現があるようですね~

A互換はベスト)、B互換(一応使える)といったところでしょうか?

STIレバーがNEWでブレーキ本体が旧の時は、B互換で入力/出力比85%になっています。

逆に、STIレバーが旧でブレーキ本体がNEWの時は、使用不可で入力/出力比125%です。

125%の入力/出力比というのは、効きが良くなるという訳ではなく、ワイヤーの引き量のことのようです。

 

出典:自転車のトライ

例えば10のレバー操作で12.5分ワイヤーを引いてしまうので、25%早めにMAXに到達するということのようです。

同じブレーキ操作で、沢山シューが動きすぎてしまい、ガッツンブレーキになり危ないので「使用不可」となっているようです。

 

シマノブレーキの引き幅の違いまとめ |
シマノには世代によってNEW SUPER SLRと旧SUPER SLRがあります。それぞれレバーとブレーキの引き幅に違いがあります。

コチラの方が非常に分かりやすく解説されています!良かったら読んでから戻ってきてくださいね~

 

  

 

出典:club Vesper

もう一度互換表を見てみると、やや矛盾が生まれます!

旧同士が100に対して、NEW同士は110になっています。

旧より10%MAX到達点が早いということですね~

 

↑の説明では「シューがリムに付くまでは速く、リムに付いてからはストロークを長くしてコントロール性を上げている」とのことなので、てっきりMAXまでの到達が遅いのかと思いましたが、10%早いそうです!

良くわかりませんね~(?_?)

 

 

また、STIがNEWでブレーキが旧の時、入力/出力比が85%で「制動力が下がる」となっていますが、

MAX到達点のことであれば、あと15%分レバーを引けばMAX到達点に来ると思うのですが・・・

テコの原理なので、15%余計に力が必要になるならわかります!

でも、大人の男性の握力で握った場合、レバーやブレーキの剛性の方が先に限界に来てしまうと思うので、「85%しか効かなくなる」はちょっとあり得ないと思います。

特にエントリーグレードのブレーキは、上位モデルに対し剛性が低いと思うので、限界値は変わらないと思われます。

 

「使用不可」になっている、STIが旧・ブレーキがNEWの組み合わせですが、ブレーキって「ガツッ」と効く方が好まれたりもするんですよね~(^-^;

 

私も過去にST-6400×BR-R8000で試したことがあります!

「メチャメチャ効くな~」と思っていましたが、テコ比の関係もあったんですね~(^.^)

「危なくて使いない」というイメージはありませんでした

組合せが「ガツッ」と効くのであれば、握力で調整すれば良いだけですからね~(^-^;

 

レースで使うなら「コントロール幅が大きい方が良い」のは間違いないです。

そこは否定しないので、「レースでは使用不可」ならわかります

 

ですが、サイクリングレベルなら問題ないのではないかと思います。

一律で「使用不可」は解像度が荒い気がするのは私だけでしょうか・・・(?_?)

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

私は「サイクリングレベルなら互換性を気にしなくて大丈夫」が結論です!

現にいろんな組み合わせロードバイクを作っていますが、サイクリングレベルで「気になる程違和感がある」と感じたことがありません。

もちろん個体差もあるし、リムの状況で効きも変わるし、テコ比以外にもワイヤーのルーティーンやブレーキのバネの硬さによってもブレーキレバーの引きの硬さは変わります。

いろんな要素が複雑に絡まっているので、何か1つだけに注視してもあまり意味がないとも思っています。

ということで、私は「サイクリングレベルなら気にしなくてOKなレベル」となりました。

みなさんはどうお考えでしょうか?

今回はこのへんで~

ではまた~(^^)/~

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