おはようございます。古賀修三です(^.^)
今回もYoutube視聴者様のご質問にお答えしていきたいと思います。
今回はネット通販でクロスバイクを購入された方の「初期トラブル」のご相談です!
では行ってみましょう~(^.^)/
質問内容
いつも古賀さんの動画を見て参考にしています。 古賀さんに質問したいのですが長文になり申し訳ございません。
この自転車のスタガードフレームのモデルを買いましたが、最悪な商品でした。
前輪ブレーキをかけるとほぼ毎回車輪が大きくずれます。
初めは付属のクイックリリースで、手が痛くなるほどの力で固定しましたが1回目のブレーキでずれました。 なのでgiant escape RX diskで使っているスキュワーナットで固定しましたが、数回ブレーキをかけるとまたズレました。
僕はgiantのクイックリリースのディスク車には5年乗っており、その前にもクイックリリースのルック車にも乗っていました。
その間、パンク修理やメンテナンス、洗車のために何十回もディスクブレーキ車、クイックリリース車のホイールの脱着をしてきましたが、前輪がズレるトラブルなんて一度もありませんでした。 なので僕の取り付け方法が間違っているということはないと言い切れます。
原因としては giantと比べると、フォークの爪の部分全体に塗装されていて、そのせいで滑りが良くなりズレた。ズレた方の塗装のみズリむけていました。
giantは固定部は金属剥き出しでした。 フォークの爪の先端の、脱落防止の爪がgiantよりかなり小さく、クイックレバーを解放しただけで簡単に外れてしまう。
giantではクイックレバーを開放しても反対のボルトを回さなければ爪が引っかかり、車輪はグラグラするものの外れません。
giant、この自転車ともにクイックリリースを完全に外し、車輪の固定を外した状態で乗車せずに軽くブレーキをかけてみたところ、giantでは、爪が少し前を向いていて、ブレーキを踏んだ際に車軸にかかるした下方向の力を爪の後ろの部分で受け止めていて車軸はほぼズレませんでした。
が、この自転車では爪が力がかかる真下を向いており、ブレーキをかけると、車軸が真下にズレ、前輪が外れました。
このことをメーカーに伝えましたが、クイックリリースをしっかり締めれば外れることはないと一点張り張りでした。 Amazonカスタマーに問い合わせなんとか返品できました。
クイックリリースのディスク車では、フォークの爪全体に塗装されていること、脱落防止の爪が小さいこと、爪の先がブレーキをかけた際に大きく力がかかる、真下を向いていることはよくあることなのでしょうか?
クイックリリースのディスク車でだんだんと前輪がズレてくるのは耳にしたことがありますが、数回のブレーキで乗れなくなるほどズレることってよくあることなのでしょうか?
giantでは一回もずれたことはないですが。 長文になり申し訳ございませんが回答をいただければ幸いです。
というご質問です!
ご購入されたのはコチラのクロスバイクです↓
以前フレーム違いの↑のクロスバイクをおすすめしておりました。
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ブレーキは前後ディスクブレーキなのですが、「ブレーキを掛けると前輪が大きくズレてしまう」というトラブルです!
ホイールの固定方式は「クイックリリース」です!
どんなに強く締めてもダメで、スキュワーナットに交換してもダメだったようです(*´Д`)
いったい何が原因なんでしょう(?_?)
今回のご質問は以下の2つです!
- クイックリリースのディスク車で「フォークの爪全体に塗装されている」「脱落防止の爪が小さい」「爪の先がブレーキをかけた際に大きく力がかかる、真下を向いている」は良くあるのか?
- 数回のブレーキで乗れなくなるほどズレることってよくあることなのでしょうか?giantでは一回もずれたことはないですが。
では順にご説明していきましょう~
クイックリリース・ディスクブレーキのフォークエンドの形状
ESCAPE RX DISKのフォーク
↑が今回ご質問者様が比較に出されている「GAINT ESCAPE RX DISK 2020」のフロントフォークです!
何年式のRX DISKをお乗りなのかは分かりませんが、2020モデルは税抜き80,000円のクロスバイクです。
フォークはカーボン・ディスクブレーキは油圧式のため、今回のクロスバイク(4万円)と比較するにはやや無理があると思います(^-^;
一流メーカーで更に価格が上のクロスバイクは、それなりにクオリティーが上がりますからね~
なので同価格帯のクロスバイクと比較してみましょう~
AVASTAと同価格帯のフォーク
もう一度AVASTAのブレーキ周りを見てみましょう~
フォークの素材の記載は無いのですが、画像からみてフォークが細い・溶接痕が細いのでスチール製だと思われます。
「爪全体に塗装がされている」という質問がありましたが、鉄は塗装していないと錆びるため、塗装は必須だと思います。
↑は4万円台のクロスバイク「TRINX」のフォークです!
コチラもスチールフォークです。
真下開口なところがそっくりですね~
↑は3万円台のCANOVERのクロスバイクのフォークです!
コチラもスチールフォークだと思います。
形状も上の2車種にそっくりですね~
ということで、今回のAVASTAの「フォークの爪の形状が他車と比べて悪い」とは言えないと思います。
そして、先ほど例に出したフォークが付いているクロスバイクでも「前輪がズレる」というレビューは見当たりませんでした!
今回のトラブルはなぜ起きたのでしょうか(?_?)
可能性を深堀りしていきたいと思います。
前輪がズレるメカニズム
シマノ製のクイックリリースを使っていて適切に固定されていれば、まずずれることはありませんが、フロントフォークのエンド形状はディスクブレーキが出現する前に規格化されています。
そのため、上の写真のように制動した時にホイールがエンドから外れる方向に力がかかってしまいます。
そのため、油圧ディスク装備のロードバイクではオープンエンドよりもスルーアクスルタイプが積極的に採用されます。
メカニカルディスクの場合はそれほど瞬間的な制動力は発生しづらいので、まだ価格の安いクイックリリースタイプの方が主流です。また、リアのエンドは制動時にずれない向きになっているので、問題にはなりません。
ritewayの記事によると、やはり前輪は外れる方向に力が働いてしまうようです!
だた、ただし書きされているように「シマノ製のクイックリリースを使っていて適切に固定されていれば、まずずれることはありません」とも記載されています。
今回はシマノ製のクイックリリースではありませんが、「手が痛くなるほど締めた」「スキュワーナットに交換して7Nmで締めた」とのことです!
それでも締め付けトルクが甘かったのでしょうか?
ちなみに現在、ディスクブレーキ車に多く採用されている「スルーアクスル」ですが、一般的な締め付けトルクは10~15Nmです!
やはりクイックリリース(一般的には5Nm)とは比べ物にならないくらい、固定力がありますね~(^-^;
前輪がズレるのは良くある?
スルーアクスルに比べてクイックリリース車は前輪がズレやすい構造なのは分かりましたが、良くあることか?というと、「ほとんど聞かない」が答えになります。
今までも、同じ構造(クイックリリース・ディスクブレーキ)の自転車を何度か弄ってますが、ズレたことはありません。
また、同じ構造のクロスバイクやロードバイクを沢山おすすめしてきましたが、「前輪がズレた」という報告は今回が初めてです!
今回の車種を含め、他車の通販販売ページのレビューもかなりの数を確認しましたが、同様のレビューは見当たりませんでした。
では何故このようなトラブルが出てしまったのでしょうか?
可能性を考えてみました。
こちらもおすすめのGILES↓
可能性は・・・
スタガードフレーム
今回のクロスバイクは「スタガードフレーム」という、特殊なフレームのクロスバイクです。
一般的なクロスバイクに比べトップチューブ長が短く見えます。
フレームサイズは380㎜と440㎜の小さ目の2展開です。
その割にはヘッドチューブが長く、コラムスペーサーもたくさん入っているため、乗車姿勢はかなりアップライドです!
前傾姿勢が弱いため、重心は後輪に多く掛かっていると思います。
ブレーキ時に前輪にあまり荷重が掛からないため、前輪がズレやすくなったのではないでしょうか?
一つ目は「フレーム形状による前荷重の弱さ」が考えられます。
フォークの精度
2つ目はフォークの精度が悪かったのでは?というケースです!
クイックリリースモデルのフォークエンド幅は100㎜です。
精度が悪く、例えば105㎜くらいあったとしましょう~
ハブ側の左右のナット間は100㎜なので、フォークとの隙間が5㎜ほど開いてしまいます。
クイックリリースやスキュワーを締めて行っても、フォークを5㎜歪ませるまでに数Nmトルクを必要としてしまいます。
フォークは常に5㎜広がろうとする力が働くため、思っている以上に締め付けトルクが掛かっていなかったのかもしれません。
また、エンドの平行が出ていない場合もホイールがズレやすくなります!
エンドとハブナットの接地面が小さくなり、ズレやすくなりますね~
速度とブレーキの効き
元々前輪は外れやすい構造ですが、速度が速くブレーキの効きが強力なほど矢印の力は大きくなると思います。
また太いタイヤを付けているほど、ホイール周辺の重量がかさみ遠心力が大きくなります。
そこに強力なブレーキで制動を掛けると外れやすくなると思います。
今回のタイヤは40Cとクロスバイクではかなり太めのタイヤです。
デフォルトのブレーキは強力なディスクブレーキには見えませんが、もしカスタムしてブレーキ強化していたら外れやすくなるでしょう~
まとめ
いかがだったでしょうか?
私も今回のトラブルは初めてのケースだったのと、返品後の報告だったため画像や動画をいただいていないため真相は分かりません。
いろいろな要素が重なって起きた稀なトラブルだと思われます。
今回は「返品して正解」です!
しかし、「どうしても乗れるようにしたい」場合は、「ナット止め化」をおすすめすると思います。
前輪の中空シャフトを無垢シャフトに交換する方法です。
↑のようなシマノ製のナット止めタイプのシマノハブを購入し、シャフトを入れ替えれば「無垢シャフト化」が出来ます。
ナットはM9のピッチ1.0です↓
ハブのオーバーホールが出来るスキルが必要になるため、自信の無い方にはおすすめしませんが、意欲のある方は挑戦してみてください。
おすすめ動画はコチラ↓
今回はこのへんで~
ではまた~(^^)/~
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コメント
ご回答ありがとうございます!
なるとぼ!
乗車姿勢の問題とか、リアエンド幅の精度悪とかも考えられるのですね!
リアエンド幅の誤差ならホイールは真っ直ぐに固定できますもんね!気が付かなかったです!
ブレーキに関してはノーマル状態で乗っていました。後で油圧に変えようかとは思っていました。
速度についてですが、25キロくらいからの信号停止くらい??15メートルくらいの制動距離??でブレーキでだんだんとズレてきました。
初期のクイックリリースでは、このくらいのブレーキでも1回でガッツリズレまし
た。
写真いいのはないですが、何枚かございます。
ただこのようなところでコメントとかをしたこともないし、返信や、やり取りをした事ないので、送り方が分かりません泣
既に動画を撮影済みなので写真は大丈夫です!
今回はリアエンドは関係しないと思いますよ~
記事を拝見させて頂きました。
以前自分が購入したトリンクス(TRINX)のファットバイクでフロントQRでリヤナット留め、前後ディスクブレーキの車体で同じ状態がありましたのでコメントさせて頂きます。
課題の車両と同じくスチールのフォークで、フロントブレーキを強くかけると車軸がズレるよう感覚があり、おかしいと思い車体を地面に接地させた状態でQRレバーを緩めてみました。
するとズレていたであろう車軸とフォークが適正な位置にストンと戻りました。
その状態でQRを目一杯締め再度ブレーキをかけましたが再び車軸とフォークがずれてしまいました。
試しにBBBのスキュワー(最大締め付けトルク8.8Nm)にも交換してみましたが症状は改善せず…
諦めたてハブ軸をシマノの無垢シャフトに交換しナット留めにしたところズレは発生しませんでした。
が、モヤモヤしたので原因を探る為フォークエンドに外したQR用の9mm中空シャフトを当てがって遊びがどのぐらいあるのか観察しました。
かなり遊びがあることに気がつき、試しにMTB用サンツアーのサスペンションフォーク(9mmQR)にもファットバイクのハブから外したシャフトを当てがいましたがスッポリはまって遊びはほぼ無い状態でした。
ということは…
フォークエンドの径が大きい?
まさか9mmQR仕様のフォークがそんなことあるわけないと思いつつもノギスで径を計測したところ約10mmありました。
憶測ですが、本来このフォークは10mm軸のナット留め用のフォークでは?
それにQRハブ軸ホイールを装着して販売しているのではないかと思われます。
その後中古でスペシャライズドのファットバイクフォーク(9mmQR)を購入し既存のフォークから交換。
ホイールのハブ軸を9mmQRに戻し、装着しましたがピッタリはまりブレーキを強くかけても
ズレることはありませんでした。
今回の事例もですが、フォークの精度もあるとは思いますが、固定方式の合わない組み合わせで組まれている車体だということかもしれません…
長文になりましたが自分の体験した事例として報告させて頂きました。
そうなんですね~
確かにスリットが大きいと横にもズレるので、ズレやすくなりますね~